「明日? そんな先のことなんてわかんないわよ!」

Kポにハートを撃ち抜かれて韓国留学を決意したイイ大人のイタすぎる生態日記

「ごちそうさん」は、ワサビソフトクリームのようなドラマだった

ついに終わっちゃいましたね、

朝の連続テレビ小説ごちそうさん」。

公式サイト→NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」

 

最終回、カレーライスの盛りが多すぎるんじゃないかとか、

教授の連れてきたあの男の意味はなんだったんだとか、

源ちゃんのプロポーズが報われないしせつなすぎるけど彼らしいなとか、

悠太郎さんの引き上げはちょっと早すぎるんちゃいますかとか

(個人的にはシベリア抑留の話まで描いてほしかったので)、

若干あのまとめ方に釈然としないところもあったんですが

そこはまあいいです。豚をぶちこんできたので(←えっ)。

 

で、終わってみれば、ものすごいメッセージが込められた

朝ドラだったんではないかと。

始まりは、どちらかといえば少女漫画的でしたよね。

主人公は女学生と帝大生で。出会いも生クリームだし。

そのあとも、ボートの応援に行って、告白してふられるとかほんとにもう。

「め以子がパーラーでヤケ食いしている間、東北の寒村ではおしんが、

自分の手のあかぎれに息を吹きかけながらだいこんめしを啜ってたんだよね…」

などど、同じ時代を生きた二人のヒロインを脳内対比していた頃が懐かしい。

でも、戦況が悪化してくにつれ、どんどん甘さの中にある苦みが出てきました。

もっともズドンと現れたのは、やはり悠太郎さん逮捕のくだりでしょう。

誰よりも防災に力を入れていた建築家である悠太郎さんが

「空襲のときは逃げよう」と言ったために逮捕されたあのエピソードです。

彼は、当時制定されていた防空法(避難を禁止する法律)に違反したせいで

逮捕されたわけですが、そこを2月末の放送で取り上げるというのは、

やはり意図があったんだなあと。

 

専門家”が「やたらと空襲を怖がるな」、「爆弾には滅多に当たらない」と

ラジオで呼びかけていた場面。

「うちも大吉に、なんかええもん残してあげたい。 

うち電気つくりたいんや。風や、地下熱や、波や、太陽や

この世の中には見えない力があふれている。

それを電気に帰る仕組みを残したいんや。

行けるんやったら大学いきたい」というふ久の言葉。

 

“3.11”以降を生きる我々へのメッセージですよね。

ぼんやりと踊っている場合じゃない。

このままだと最期まで踊らされることになりますよ、と。

 

この最終回を見終わり、まっさきに思い出したのはワサビソフトクリームのこと。

最初は甘いのに、途中でツーンとした痛みが抜けていく。

そしてまた甘くなってツーン……その繰り返し。

甘さに隠れた(あるいは意図的に隠された)、

苦味や痛みを忘れちゃいけないということを思い知らされた作品でした。

改めてそして、本当に「ごちそうさん」でした!

 

追記:あと、腐女子を登場させた画期的な作品だったという意味でも

   「ごちそうさん」でした!

   ふ久の息子・大吉の「僕、おじさんのミットにズドンしたいでちゅ!」

  (ふ久の妄言)のくだり、最高でした。

   そのあたりのすばらしさ&勇気についてはこちらに書かれております。

       →朝ドラ史上初? 『ごちそうさん』に腐女子登場で話題騒然(1/2)|おたぽる